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水野俊哉の新刊インタビュー Vol .17

   「憲法がしゃべった。〜世界一やさしい憲法の授業〜」(すばる舎リンケージ)

      木山 泰嗣(きやま・ひろつぐ)さん

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◆「憲法がしゃべった。〜世界一やさしい憲法の授業〜」(すばる舎リンケージ)

    木山 泰嗣(きやま・ひろつぐ)さん


【プロフィール】

1974年横浜生まれ。弁護士・作家。1993年神奈川県立横浜翠嵐高等学校卒業。

1998年上智大学法学部卒業。2003年10月より弁護士登録(第二東京弁護士会)。
鳥飼総合法律事務所所属。

高校生のときに法律に目覚め、日本国憲法の制定に携わった第44代総理大臣・幣原喜重郎の
『最後の御奉公――宰相 幣原喜重郎』(文藝春秋)、
1998年に『日本国憲法をつくった男――宰相幣原喜重郎』(文春文庫)として文庫化)や
モンテスキューの『法の精神』(岩波文庫)などを読みふける。

細かいことはよくわからなかったが、憲法や法のダイナミズムに触れ、法学部への進学を決意。

法学部進学後は、憲法などの法律科目の勉強に没頭。

しかし、細かい論点ばかりに気を取られ大学1年生の期末試験に失敗。
必修科目である憲法の単位を落としてしまう。

その後、猛勉強の末、リベンジを果たし憲法が得意科目になる。
大学卒業後、4年の受験時代を経て、2001年に旧司法試験に合格。

現在、憲法が定めている「租税法律主義」の徹底、「法の支配」を浸透させるべく
税務訴訟に関する案件を重点的に取り組んでいる。

「むずかしいことを、わかりやすく」がモットーで、
難解な法律を学生でも理解できるように伝えることを心がけている。

そのため、書店では自身の著書を集めた「木山泰嗣コーナー」ができるほどの人気ぶりを誇る。

とくに、法律をストーリー形式で伝えた『小説で読む民事訴訟法』(法学書院)は、
「眠くなる民訟(民事訴訟法)が好きになる」と評されるなど、
根強い人気を誇るロングセラーになっている。

また、税務訴訟や、文章術などについて、日本経済新聞等から取材を受けることも多く、
メディアからも注目されている。現在は、雑誌などで月6本の連載を抱えながら、
「ビジネス・ステーション」(USENラジオ)への出演、講演・セミナー講師など、
多岐にわたって活躍している。

著書には、
『小説で読む民事訴訟法』『小説で読む行政事件訴訟法』
『弁護士が書いた究極の勉強法』『弁護士が書いた究極の文章術』
『弁護士が書いた究極の読書術』『究極の思考術』
『勉強が続く人の45の習慣』(以上、法学書院)、
『税務訴訟の法律実務』(弘文堂)など多数。


◆ 木山泰嗣ツイッター http://twitter.com/kiyamahirotsugu

 ◆ 木山泰嗣ブログ http://torikaiblog3.cocolog-nifty.com/

 ◆ けんぽうくんツイッター http://twitter.com/kenpoukun


☆ このメルマガの最後に、木山さんより、読者プレゼントのお知らせがあります ☆


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水野俊哉(以下、水野):新刊インタビュー『憲法がしゃべった。〜世界一やさしい憲法の授業〜』
(すばる舎リンケージ)。よろしくお願いします。

木山泰嗣(以下、木山):よろしくお願いします。


水野:今回はテーマが憲法で、内容はいろんなキャラクターが出てきて、
ストーリー形式でわかりやすく憲法を解説されるという本なんですけど、
なぜ、このような形式で本を書こうと思ったのですか?

木山:(前回ご紹介いただいた)『弁護士が書いた究極の法律力―口約束では契約は成立しないのか?』
(法学書院)を書いたときに、法律を一般の人がもっと知ってもらうために、
なにか伝えるよい形式はないかな、と考えていまして、
もともとは、この本は最初、憲法というよりも法律のことをストーリー仕立てで書こうと、
スタートした企画だったんですね。


水野:なるほど。そもそもは。

木山:いわゆる六法ってありますけど、憲法とか、民法とか、刑法とか、
それぞれ1章ごとに書いて合計6章で伝える。

で、主人公に女の子が出てきて……という、よくありがちって言ってはあれですけど、
法律ではそういう本はなかったので。

一般の人がストーリーで楽しみながら法律を学べるような、
そういうので考えていたんです。

原稿もかなり書いて進んできた段階で、編集者の方から、
法律っていってもあまりにも領域が広いので、一冊で六法というのは、
ちょっと厳しいかもしれないと。

このまま進めるか、それともどれか一つに絞って、たとえば、憲法とかどうですかね、と。

それで、じゃぁ、考えてみようということで。いろいろ考えていたら、
ある晩、夜中に、憲法が急にしゃべりだしたんです。頭の中で(笑)


水野:まさに、タイトルどおり!(笑)

木山:これはひらめきだったんだけど、なんだか、憲法が自分のことをしゃべりだしちゃって、
止まんなくなっちゃったんで、それをすぐに書いて10ページくらい。

で、これは面白いな、と。それで、タイトルは「憲法がしゃべった。」って、

そのときにタイトルができました。

次の日、編集者に原稿を送ったら、面白いですね!ってことになり、
それからスタートしてきました。


水野:「憲法がしゃべった。」っていうタイトルにたどり着くまでに、
じつは、いろいろ執筆も進んでいたり……(試行錯誤もあり……)、
それで、ある日ひらめいたんですね。

発売されたのが、震災後の3月26日だと、伺いましたが。
その後、さっそくいろいろな媒体から取材依頼が殺到しているようですね。

木山:5月3日が憲法記念日だったということもあって、
翌日の4日に『朝日小学生新聞』に著者インタビューが掲載されました。

あとは、小さいお子さんも読めるように書いたこともあってか
『プレジデントファミリー』という小学生のお子さんをもつファミリー(お受験の親御さん)
が読む雑誌の7月号(5月中旬発売予定)にも新刊インタビューが掲載されます。

ほかにはTBSラジオ『GAKU Shock』ですね。中高生向けの学びをテーマにしたロザンさんと、
加藤シルビアさんの番組なのですが、それも憲法記念日特集ということで、出演しました。


水野:発売から一カ月強だというのに、スゴイ反響ですね。

木山:憲法記念日があったというので、そういうタイムリーだった、というのもありますが。
小学生や中学生でも読めるイラスト入りのストーリー形式だったというところが
注目を浴びているのかな(今までにない本だということで)、と思います。


水野:登場人物もユニークで(笑) けんぽうくんという謎のキャラクター、
ライ男くんとシマ男のキャラクターが登場しますが、このあたりの設定は、
むずかしいという印象の憲法をやさしく解説したい、という思いで考えられたのですか?

わりとすぐに出てきましたか?

木山:ひらめきの段階では、憲法が自分のことをしゃべりだした、というものだったので、
60ページくらいの原稿は、三日後くらいにはできていたんです。

それを本にしようってことだったんですけど、
せっかく出版するのであればいろんな人の意見を聞いてやっていこう、
ということで中学生、高校生、大学生、ロースクール生、社会人の方々にその原稿を読んでいただき、
アンケートに答えていただきました。

感想をたくさんいただいたんですね。

それも参考にしながら、ブラッシュアップしていく過程で、
「憲法」がしゃべっているだけより、ほかにも登場人物がいたほうが面白いんじゃないかと、
そういう視点がでてきました。

そこでシマウマとライオンという動物のキャラクターを登場させてみたんです。
そのアイデアが出てきたのは、昨年の夏くらいでしたから7、8カ月経ってからです。


水野:執筆の過程で、完成前にいろいろな方にアンケートを取りながら書き進める、
というのはなかなかめずらしいと思うのですが、これはどうしてそのようになさったのですか?

木山:編集者のアドバイスです。やはりターゲット(読者対象)が小学校6年生くらいから、
大人までと幅広かったので、それぞれの方に読んで満足してもらうのは、
作り手からすると大変むずかしいのですよね。

それで、幅広い世代の方、法学部でない学生さんも、憲法に興味のない人たちも含めて、
どういう印象をもたれるかっていうのをリサーチしました。

いろんな人に満足してもらえるような本にしたいな、と。


水野:ご執筆に際して、期間も長かったし、ご苦労もあったそうですが、
実際どんな感じだったんですか?

木山:最初ひらめいて、「憲法がしゃべった。」という60ページくらいの原稿を書いたのが
昨年の2月くらいですかね、

そこからアンケートもありましたけど、担当編集者の赤入れ、
それも真っ赤の……それを10回くらい(苦笑)


水野:それは10回書き直しているってことですよね?

木山:そう。それで、60ページくらいだったものが、どんどん膨らんでいって、
昨年の年末には280ページまでいったのが、最後はちょっとこれでは多すぎるということで
70〜80ページカットして……編集者の方は最初はページは気にしないで、
出せるものを全部だしてくれ、と。で、あと削るモノはあとから削ればいいから、と。

その間に、ここに出ていないキャラクターがいた時代もありましたし、
いろんな実験をしながら……(笑)


水野:弁護士の本業もありながら、本をいっぱい書いてらっしゃるので、
もともと執筆のスピードは速いと思うのですが、その木山さんにして1年半かかったということは、
相当な力作ですよね。

木山:時間は相当かけましたね。そういう意味ではいままで12冊本を書いてるんですけど、
その中で、個人的には一番思い入れも強いですし、よくがんばったなと思うところはあります。


水野:私もちょうど12冊目の本を書いてまして、
1つの作品に一年半も集中し続けなければならないというのは、
その大変さは我がことのように伝わってきます。本当にご苦労さまです。

木山:そういう中で、本の全体の雰囲気としては、最初は「感動」というのも変ですけど、
日本人が戦後がんばってきたというような感動的なものを書いていたんです。

ただ、あまりそういう空気を読者に押し付けるというのもどうかという、
編集者からのアドバイスがあり……、
タッチを軽くすることでどのような人でも、
楽しんで読めるような雰囲気の本にすることにしました。

それで変なギャグみたいのを入れたりとか……。

結構、書いている私としては、つらい……(苦笑)

自分自身の壁というか、自分自身を忘れて書かないと……みたいな。

いままでさすがにギャグを書いたことはなかったので(笑)


水野:編集者さんとの濃密なやり取りがあったのですね。


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水野:すばる舎リンケージの編集者さんとの出会いは、どういうものだったのですか?

木山:出版社の人とか著者の方が集まるパーティーで、知り合ったんですけど、たまたま、
うちの事務所の所長の鳥飼重和という弁護士が、『稼げる弁護士になる方法』(すばる舎リンケージ)
という本を書いていて、その担当の編集者の方だったんです。

所長の鳥飼とは関係のないところでたまたま、お会いしたんですけど、
名刺交換したときにお互いに「あぁ〜!」となって。

それで「何か企画ありませんか?」と言われたときに、
「ストーリー形式でこんなのは?」という話をして。

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水野:この本のこだわりは、どんなところですか?
執筆期間も一年半かけ、納得するまで妥協しなかったのはスゴイなと。
帯も齋藤孝さんのご推薦があったりとか、これはうれしいですね。

木山:ストーリーものだったので、時間をかけていいものをつくりたいという点では、
編集者の考えに共感しました。

それで、覚悟を決めました。本づくりに時間をかけたという点は、
編集者の方がすごくこだわって作っていただきました。
本の紙やカバーもやわらかくなっています。

「世界一やさしい憲法の授業」というサブタイトルにもありますが、
「やさしい」というのは、「わかりやすい」という意味と、「気持ち・心」としての優しい、
このふたつの意味があります。

ひらがなの「やさしい」を使っているのは、こういう理由からです。

温かみのある本として、一つひとつにこだわりがあるんですね。

キャラクターを描いてくださったのは
ふわこういちろうさんというイラストレーターの方なんですけど、
私が文章で書いていたものをイメージ通りに再現してくださって。

けんぽうくんの絵も非常にかわいらしくユニークなんですよ。

公園が舞台なんですけど、その公園も頭の中で漠然と描いていたものに非常に近かったりするんです。

あと、章が進むごとに(章のトビラの公園の絵をみていると)日が暮れていくんですね。
公園がだんだん、暗くなっていきます。

物語も午後〜夕方までの話なので、そういう部分まで、
デザイナーさんなど携わってくださった方々皆さんのこだわりが入った本です。

書いていてすごく大変でしたけれど、とても充実感のある本でした。

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水野:今ちょうど震災の後ということで、憲法について知っていただくよい機会だと思います。
(11章のストーリーを通じて)

一般の方にはむずかしいという印象がある憲法なんですけど、
その中でも一番大切と思われることを解説されている、ということでよろしいですか?

木山:憲法というとどうしても政治がらみの話題が多いと思います。
憲法をテーマにした本というと、憲法学者の方は純粋に憲法を研究して書かれてるんですけど、

いわゆる憲法の本となると9条の平和主義をめぐって自衛隊は合憲なのか、とか、
日本も武装すべきだとか、いや、平和主義が大事なんだ、とか、
絶対に憲法は改正してはいけないんだ、とか、なんだかそこばかりに、
議論が集中しているように思います……。


でも、憲法って全部で103条あって、戦争のことを書いているのは9条で、
基本的にほかの102条は他のことを書いています。純粋に憲法ってどんなものなの?
というのを知ってもらえるような本を目指しました。

水野:憲法がなんのためにあるのか、とか、位置づけですとか、
憲法の中で大事にされていることですとか、権利と義務ですとか、
そもそも大事なことをわかりやすく書いてあって、(木山さんの本はいつもそうなんですけど)、

読者のアンケートを見ても、小学校6年生のものから、
ロースクールに通う学生さんたちの試験に際して、これを読んでいてよかったとか
(読んでいたかったとか)、そういう感想まであり、さすがだなと思いました。

そのあたりは意図されてたんですか?

木山:そうですね。この本をひとことで語るのはむずかしいくらい、いろいろな要素があり、
いろいろなことを考えてつくりました。

読まれる方がどんな方でも何か得られるようにです。

そういう意味では、ロースクール生のように憲法をある程度勉強した人でも
気づきがあるようにしつつ、ただマニアックになってしまうと、
普通の人にはつまらなくむずかしい本になってしまうので、
やさしい言葉でさりげなく書くように工夫しました。

この本は何か著者のメッセージがあるというよりも、
読んだ人たちが自分なりに何かを感じとってもらえればな、というものです。

極力、強いメッセージは書かないように(書いてあったのは削ったんですけど……笑)、
そういう感じでやってきました。

憲法というのは、日本のルールです。日本の国の仕組みを決めたルールなんですね。
それを知ることで、日本ってどんな国なの?ということを考える。

憲法がつくられたのは戦後ですので、日本の戦前と戦後を含めた歴史にも興味をもつ。

また戦後につくられた憲法のもとで、日本の人たちががんばっていまの日本がありますので、
(いま震災で大変ですけど)、
日本の人たちががんばってきたことや、国の歴史などを考えるようなキッカケになればな、と。


水野:そう、いまちょうど震災の後で、原発のこととか国民全体の関心が高いですから、
そもそも国家ってなんだ? とか、そういうところからはじまると思うんですけど、
根本のルールである憲法を一からやさしく学べるというのは非常にタイムリーですね。


出版にあたってはちょうど震災の直前だったということで、大変だったとお聞きしたんですけど。


木山:もともとの発想が、突然のひらめきで、憲法がしゃべりだしたと言いましたけれど、
なんだかよくわからないうちに、この本を書き始めていたというのが実感です。

そして、これを編集者の方が印刷所に入れてくださったのが震災の前の日の晩でした。
今でも編集者からのメールが残っていてたまにみるんですけど、
「本当にすばらしい原稿で感謝しています」という感じのメールを
震災前の夜の10時くらいにもらい、次の日に震災でした……。

いろいろ予想外のことが起きながら、私が書いたというより、
私が書かされたという感じがしています。私を通じて世の中に出てきた本なのかな、と。

憲法は、そもそも私が関与したものではないですし、もともと存在していたものです。
あくまで橋渡しとしての役割だったのかな、と思っています。

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水野:木山さんはあえて強いメッセージを込めてないとおっしゃいましたが、
最後の部分とかは読者の心に深く届くように意識されてるのかな、と。

あまり詳しく言うとストーリー全体の内容がバレてしまうので、言いませんが。

木山:ストーリーについても、いろいろ読後感があるような、
「へぇ〜」と言ってもらえるようなものになるよう、いろいろ考えてつくりました。

一回読んで、あ、憲法ってこういうことなんだとわかっていただいたあとに、
もう一回読んでいただくと、別のストーリーとしての隠れたキャラとかメッセージが
出てくるかもしれないですね。

そういう意味では、何回も繰り返して読んでもらえたらな、と思っています。


水野:どんな方に読んでほしいですか?

木山:もちろん、皆さんに読んでいただきたいんですけど、お子さんがいらっしゃる方、であれば、
親としてお子さんに教えてあげるとか、親子で一緒に読むとかですかね。

テーマそのものは憲法なんですけど、「親子のつながり」というそういうものも
裏のテーマとしてあったりしますので、みんなで楽しんで読んでもらえたらな、と思います。


水野:自分も小学生の子どもがいますので、読ませたいなと思うんですけど、
一方で、このメルマガはビジネスマンの方が多いので、
ビジネスマンにとって憲法はどのように関係して、どのように大切なのか、お聞かせ願えますか?

木山:一般社会人という意味では、「憲法改正の議論」はいずれ出てくると思います。
社会常識としてだけでなくて、改正になっときに、皆さんが国民投票の一票をもつことになります。

そのときに今あるものを知らないで、改正OKとか、改正反対っていうのは言えないと思います。

そのために、いまある憲法をいまから知っていただくことはすごく大事だと思います。

あとはビジネス的にもこの国では憲法というものが法律よりも上にあるんですね。
根本規範といいますが、法律より上にあるルールとして、憲法は存在しています。

そういう意味では、ビジネスをされている方には「営業の自由」というものが
憲法上保障されています。

それを侵害するような規制があれば、場合によってはそれは憲法違反で、
無効な法律になるということもあるかもしれません。

憲法は基本的に国民の自由を保障したものです。ビジネスやお仕事をされている方ですと
ほかにも、「経済活動の自由」として「財産権」とか、「職業選択の自由」があります。

そういうことを知っていただくと身近なものとして憲法にふれることができると思います。


水野:社会人になると、憲法にふれたのは学生のころ、という方が多いと思うんですけど、
あらためてこの本を読むとおさらいになるというか、
今のビジネスに関係することを根本から考えてみるといいですね。

木山:国際社会ということを考えると、
外国人の方に「日本の憲法ってどういうものなの?」と聞かれたときに、
「戦争放棄です」と答える。ちょっとそれだけでは、さみしいですので、
全部知る必要はないですけど、おおまかな仕組みを知っておかれるとよいと思います。


水野:私も憲法についてはあまり詳しくないですけど、
諸外国と比較すると日本の憲法の特徴はどういったところなのでしょうか?

木山:基本的には、ちょっとむずかしい言葉を使うと、
日本は立憲主義(憲法によって立つ)の国なんです。
近代国家ですので、そういう意味では世界の憲法と共通しています。

三権分立といいますが権力を分立させて、かつ国民の自由を保障する。
これが憲法で保障されていることを立憲主義っていうんですけど、
この点は多くの国で共通しています。

そこでまず、わたしたちの国は、近代国家として共通の基盤に立った憲法をもっているんだ、
ということを知っていただくのがひとつです。

あとは、特徴的なものというと、やはり平和主義はあります。
ほかには憲法が制定された経緯もそうですかね。

これは歴史の部分ですけれど。

必ずしも日本人が積極的につくったものとは言い難い部分があります。
そういった歴史に興味をもつきっかけにしていただればと思います。


水野:今、テレビや新聞でもいっぱい政治・政権のこととか報道されてますが、
たとえば水野王国があったとする、私が王さまですね……。

すると、税金とか国民から徴収しますけども、でも悪い王様だと、
ポケットマネーと区別がなくなって勝手にだれかの財産を奪ってしまったり……とか、
そういうことも起りうるわけですから、それで(そういうことのないように)権力を分立してる、

議会がチェックするのが民主主義であり、近代国家の共通した部分であるのではないかと思います。、


木山:あと、ビジネスをされている方は、税金というのは大きなコストとしてあると思います。
憲法は84条で「租税法律主義」というものを定めていまして、水野さんがおっしゃったように、
国民から財産を奪うのが税金ですので、それをやるためには、
きちんと国会議員、つまり国民の代表者のつくった法律というルールに基づいてないといけませんよ、
というのが憲法できちんと謳われています。

したがって法律に基づかない課税がなされたりすると、そこには憲法の問題がでてきます。

これは私の専門分野なんですけど(笑)、そういう意味ではタックスの問題も
憲法にじつは根本があるんですね。


水野:憲法は、ビジネスマン、経済活動をしている人にとって、非常に重要に関わってくる、
ということをふだん我々はあまり意識していないですけど、
そのあたりをこの本では非常にわかりやすく教えていただいてますね。

20代、30代のビジネスマンの方、管理職の方までに一度読んでいただけるとよさそうですね。

木山:そうですね。むずかしいとか、自分に関係ないというイメージが
どうしてもありがちだと思いますけど、
一時間くらいでさらっと読めると思いますし、気軽な気持ちで読んでいただければ、
憲法の概要くらいはわかると思います。

ストーリーとしても楽しんでいただけるように書いてますので、
ぜひ、読んでいただければ嬉しいです。

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水野:この本は非常に力作ですし、今はやり遂げた感でいっぱいなんじゃないかな、と思いますが、
でも、もう次の作品にとりかかってらっしゃるんですよね。
ちなみに、次の作品はどんな感じのものですか?

木山:以前、『弁護士が書いた究極の文章術―誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28』
(法学書院)という本を書いたんですけど、それが幸いご好評いただいています。

ロースクールでも、文章の書き方の講座を、昨年から講師として行っているんですけど、
今度はもっと一般の方向けに、ロジック(論理)に焦点を当てて、
論理的な文章の書き方に関する本を、今、書いています。

もうすぐ書き終えるんですけど、それは8月くらいに発売予定です。


水野:木山さんは大変な読書家だとうかがっているんですけど、
なぜ、そんなに本を書くのですか?

木山:読書が好きなので、新刊も含めてたくさんの本を読んでいますが、
やはり隙間があるんですね。

読者の立場からみたときに、「あ、ここないな、こういう本があったら面白いのにな」
っていうのがあるんです。

すでにいい本が存在しているのであれば、私が書かなくても、それを読めばいいんですけど、
まだない隙間があるんです。その隙間について自分なら書けるというものが、
本を読めば読むほど出てくるんですね。


水野:私もそういうタイプです。結構、自分が読みたいものを書いてる気がします。

木山:結局はそうですね。今の自分かどうかはともかく、
過去の5年前、10年前の自分だったら、ぜったい読みたかった、
もちろん今の自分が読みたいというのもあります。


水野:本をたくさん読まれているだけあって、おのずとハードルも高くなるんでしょうね。

木山:結局、著者としては、今の自分として満足できないと、なかなか世には出せない(笑)


水野:そういう方じゃないと、信用できないですよね(笑)

木山:そう(笑)。そこがいつも葛藤だったりもするんですけど、
私は本を年間400冊以上読んでますから、本ばかり読んでいる人が満足するような本にすると、
どうしてもマニアックになってしまいます。

それでふだん本を読まない方でも読めて、かつ本をたくさん読んでいる方でも
満足していただける本にしようと思うと、それなりの気合いを持って臨まないとできないわけです。


水野:私も出版のノウハウを教えるようなセミナーを
やっているのですが……、やっぱり真剣に、一生懸命書いてほしいですよね。

木山:自分にしか書けない、この分野では自分が一番詳しいぞ、ということを書いていただけると、
読者としてはうれしいと思います。


水野:ちなみに、昨年は何冊出されたんですか?

木山:昨年は3冊ですね。今年はすでに3冊出しているんですけど、
今、出版の依頼が急激に増えていて、すべて自分で書いているので、ちょっと限界が(笑)。

なので、今年何冊出せるかはわかりませんが、さらに数冊は出すことになる予定です。


水野:私も昨年10冊出そうと思ってたんですけど、5冊で挫折しました(笑)
月に1冊というのも可能だと思ったんですけど、でも、ものによっては、
時間がかかることもあるじゃないですか。

人間がやっているだけに、計算できないな〜と。だから今年もホント、何冊できるかわかんないです。
その時次第というか。一応、4、5冊を目安にはしていますが。

木山:ノリもありますね! その本に自分がノッていけるときじゃないと。

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水野:ちなみに、木山さんは、本業の弁護士もされて、ロースクールの講師もされて、
本もいっぱい読んだり、書いたりしてて、普段、息抜きとかどういうことをされてるんですか?

木山:お昼の時間は空いてれば、基本的には、ひとりでスターバックスとかに行って、
本を読むんですよ……(笑)。

それが、息抜きというか。必ず一日に一回。そして帰りにも最寄駅で読んだりとか。
それがリラックスできる時間なんです。

書いている時間もそうですし、要するに全部が楽しいんですね。
自分の中では充実している時間なので、苦痛を感じることがあまりないんです。


水野:たしかに、「書くのが大変なんじゃない?」って言われて「え? 」って気づくというか。
基本的には好きで書いてるだけだから、それが大変という意識はないですよね。


木山:自分が思っていることを本に書ける、というだけで、すごく楽しいですし、
書いているうちに自分の考えがまとまったりしますので。


水野:逆に、書かないとムズムズする、というか。自分が苦しいのは、
早くやりたいのに進まない、というジレンマ。いろんな事情で進まないとき。

苦しいことって、たぶん、そのくらいかなって。

木山:わかります。あとは、何より、本を出したときの喜び、ですね。
書店に自分の本が並んでいるときのうれしさとか。


水野:おもわず、見に行っちゃいますよね(笑)

木山:あとは、他の人の本を読んだときに受ける刺激、とか。
これはスゴイなという本もありますし、こういう本よりもっといいものが書けるぞって
いうときもありますし、いろんな意味で、楽しいです。


水野:全国に書店さんがあって、ちゃんとした出版社さんの本だと、
地方に行っても置いてあったりするので、そういうのって、うれしくないですか?

木山:うれしいですね。


水野:知らない街、生まれて初めて行くような、地元の本が好きであろう人たちが集まる本屋さんに
自分の本が並んでると、やっぱりうれしい。

木山:ふだん、自分が行く書店って限られてますけど、
仕事の出張で行ったときなどふだん行かないお店にたまたま行ったら、
シリーズでバーンと置かれてたり。

そうすると、おぉ〜みたいなのがありますね。うれしいですね、やっぱり。
あと話は戻りますけど、ロースクールで教えたり、本業もあり、本も書いてたり、
いろんなことやってるので、逆に何かひとつが煮詰まったときに、
こっちがあるぞっていうのがあります。

本で煮詰まったときはでも俺は弁護士なんだ、こっちをガンバレばいいじゃん、って。
で、本業がきついときは、家に帰ったら本を書くんだっていう、なんかお互いに支え合ってくれる、
まぁ、どれかが絶好調であればなんとなるところがいい(笑)


水野:そういう仕事術の本も面白そうですね(笑)

木山:ははは(笑)そこで、切り替えちゃう。

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水野:取材とかでよく、ビジネスマンの方たちが、どうやったら本を読めるのか、
またどんな本を読んだらいいのか、と聞かれることが多いんですけど。

読もうと思ったら時間はいっぱいあるし、実際、読書ってすごく役に立つじゃないですか。
ですけど、忙しいことを理由に本を読まない方が意外と多くて。

このように(『憲法がしゃべった。』のように)、短時間で読めてしまうものもあるのに……、
そういう方がどうやったら本を読めるようになるんだろう、とたまに考えます。

木山:私は以前、読書術の本(『弁護士が書いた究極の読書術』法学書院)で
「ラブレター理論」というのを書いたんでね。

自分の大好きな女の子からラブレターをもらったら、
仕事中でもトイレに駆け込んででも読むんじゃないかって。

それと一緒で、本も自分が本当に読みたくて読みたくてたまらないっていう本が
必ず世の中にあるはずなんです。

今自分が一番関心のあること、とか、読みたい本から入っていけば、自然と習慣ができて、
そして習慣になると、どんどん広がるんじゃないかなって、思います。


水野:木山さんの読書が役に立つ点とか、どういうところですか?

木山:いろいろありますけど、一番大きいのは、「やる気」が出てくる、
「前向きな気持ちになる」とか、「がんばろう」という気持ちになるとか、でしょうかね。


水野:精神的にプラスの作用がある、と。

木山:そうですね。仕事をしている人はみんな忙しいので、自分の悩みや苦しいことって、
あまり同じ職場の人と話す機会はないと思うんですね。

でも本を書いてる人って、一冊の本にふだん考えていることをバーっと書いていくんで、
仕事をやっている人がどんなことを(挫折など)経験して、
どんなことを考えてやっているかっていう、人の脳みその中をのぞき見できちゃう。

そうすると、あぁ、自分も同じような悩みがあるな、
同じような人がいるんだな〜とうれしくなったりとか。

逆に、こういう考え方もあるんだってわかったり、そこが(読書を)止められない理由ですね。


水野:読むことも書くことも教えていただいたんですけど、
最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

木山:本との出会いは人生を変える、ということがたくさんあると思いますので、
本屋さんに行ってみて、ふらふら歩いて、いい本や興味のある本があったら、買ってみる、
その行動が新しい人生を切り開いていく、私の実感ですけれど。

その一冊として、ぜひ『憲法がしゃべった。』をパラパラとでもいいので、
読んでいただければうれしいです。


水野:1,300円ですので、ぜひ(笑)。木山さん、今日は長い時間、ありがとうございました。


(構成 竹内 明子)


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【水野俊哉プロフィール】1973年生まれ。ビジネス書作家。

著書一覧 「成功本50冊勝ち抜け案内」(光文社)「成功本51冊もっと勝ち抜け案内」(光文社)
「お金持ちになるマネー本厳選50冊」(講談社)「知っているようで知らない 法則のトリセツ」(徳間書店)
「「ビジネス書」のトリセツ」(徳間書店)「モテ本案内51」(ディスカヴァートゥエンティワン)
「誰もが無理なく夢を引き寄せる365日の法則」(きこ書房)「ビジネス本作家の値打ち」(扶桑社)
「マトリックス図解思考」(徳間書店)「徹底網羅お金儲けのトリセツ」(PHP研究所)
「ビジネス用語の常識・非常識」(双葉社)

取材/日経新聞、日経ビジネスアソシエ、日経キャリアマガジン、ゆかしメディア他多数

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